自宅での看取り 家族が覚悟しておきたいこと

親や配偶者などが終末期を迎えた時、自宅で最期を看取りたいと思う家族は多いです。しかし、いざそのような状態になると、介護が大変そう、どうやって支えていいのか分からない、状態が急に変わった時のことが心配、などの理由で悩む人も多いです。

ここでは、自宅で身内を看取る際に家族が覚悟しておきたいことや、メリット・デメリットについてご紹介します。

ターミナルケアとは

日本では1980年頃から言われ始めた考え方で、緩和ケアの発展とともに広く知られるようになりました。病気や老化で余命わずかな状態で、延命治療を希望するのか、それとも積極的な治療はせずに苦痛や不快感を取り除くケアを受けながら残りの人生を自分らしく過ごすためのケアのことを言います。

終活という言葉がブームとなり、自分の老後について考える人は増えました。これまでタブー視されていた人生の最期について、できる限り自分で考えて決めようとする人も増えましたね。

ただ、人生の最期を自宅で過ごしたいと願う人は多くても、実際は介護の負担を家族にかけたくないという思いから、現実には無理だなと思っているケースは少なくありません。終末期になると、ベッドから離れる時間が少なくなり、全面的に介護が必要となる可能性が高いですね。また、コミュニケーションがとれなくなる、あるいはとりづらくなる可能性も多いにあります。

家族で看取りについて話すには、自宅での看取りに関するメリットやデメリット、家族が覚悟しておきたいポイントについて知っておくとより具体的な話し合いができます。また、今まさに自宅での看取りをしようとしている人にとっても、役立ちます。

自宅で看取るメリット

病院や介護施設での看取りに比べ、自宅で看取ると当然残された時間を家族とともに過ごす時間が多くなりますね。本人にとっては、リラックスできる環境で好きな人に囲まれるという安心感もあります。

また、家族にとっては、いつも側にいることで、「寂しい想いをしていないかな」と心配することはなくなります。

終末期の状態かどうかは医師が判断することですが、実際に終末期と言われてどれくらいの余命があるのかは分かりません。病院や介護施設にいた場合、利用期間が長引くとそれだけ費用がかかりますが、自宅で看取れば入院や入所に比べればお金がかからない場合も多いです。

自宅で看取るデメリット

自宅で看取ることはとても素晴らしいことで、多くの人はそれを希望しますから、デメリットと言えば多少誤解を生んでしまうかもしれませんね。どちらかと言えば、病院や介護施設で看取るメリットと表現した方がよいかもしれません。

自宅で看取る際には、介護する誰かが常に家にいる状態でないと心配です。そばでじっと見続ける必要はなくとも、定期的に様子を確認する必要はありますね。特に、最期に近づくにつれて、寝たきり状態になる可能性が高まります。そうなると、身体の向きをかえたり、食事を食べさせてあげたり、オムツを替えるなど、すべての動作に介護が必要となります。

介護サービスでこれらの一部をプロに任せることはできても、100%任せることはできませんから、誰かがそばにいる必要がありますね。こうなった時、同居の家族が協力して支える場合や、離れて暮らす家族が帰省して支える場合があります。少なくとも、これまでの生活どおりにいかなくなる可能性は高まります。

さらに、いつまで続くか分からない、いつ何が起こるのか分からない、介護が大変などの理由から、肉体的・精神的な負担が増えます。状態が急に変わっても、病院に入院している時のようにはいきません。

このように、自宅で看取るメリットと、病院や介護施設で看取るメリットは異なります。本人や家族が、何を一番大切にしたいかでその選択は変わるでしょう。

自宅での看取りができる条件とは?

まず、自宅での看取りを行うための必要な条件についてご紹介します。この条件を満たすことで、自宅での看取りに関する家族の負担が少し減ったり、本人の苦痛や不快感の緩和に役立ちます。

・本人、家族ともに自宅で最期を迎える意志がある
これは、必要不可欠ですね。しっかりと話合って決めましょう。

・在宅医療を支える体制がある
終末期の人が医療機関を受診するのはとても大変で、状態によっては動かせない場合もあります。かかりつけ医は、往診や夜間の対応をしてくれるところに依頼することをおすすめします。

・介護サービスを十分に使う
高齢者の場合、介護保険の要介護認定を申請すると、その状態に応じて様々な介護サービスを受けることができます。よりよい環境を整えたり、介護のプロによる介護を受けて、本人と家族の両方の負担を少し軽くすることが大切です。

介護保険では、訪問看護で看護師が来てくれるサービスもあります。かかりつけ医と連携してサービスが提供されるため、何か心配ごとがあった時には訪問看護を通して医師に伝えてもらうこともできます。こちらも、夜間対応の事業所を選ぶと安心ですよ。

自宅で看取る際に家族が覚悟しておくべきこと

自宅での看取りは、メリットもあればデメリットもあります。どちらを選んで正解、なんてことはありません。本人や家族でしっかりと話し、できれば親族間でも合意を得ておきましょう。

ポイント1 急変時の対応

終末期を家で過ごす際には、状態が急に変化することもあります。もっと具体的に言うと、呼吸状態が変わる、意識がなくなるなど、家族がびっくりする場面を経験するかもしれません。

そんな時、どうするのか。自宅でギリギリまで過ごして最期の最期だけは病院で処置してもらいたいのか、それともそのまま家で看取りたいのかによって、急激な変化の時の対応が変わってきます。

目の当たりにすると慌てふためいてしまう気持ちも分かりますが、事前にかかりつけ医とよく相談して、これからどんな状態が起こり得るのか、どうすればよいのかをできる限り聞いておきましょう。そして、何か変わったことがあった時には、訪問看護やかかりつけ医にすぐに連絡できる準備をしておくことも大切です。

ポイント2 老化は治せない

治療が可能な病気なら、病院で治せば状態が改善する可能性がありますね。しかし、老化は誰にも治すことができません。

自宅で看取っていると、「まだ治るんじゃないか、もっとできることがあるんじゃないか」と悩んでしまう人がいます。こうして自分を責めてしまっては、ただでさえ大変な看取りがもっと大変になります。

治療が可能な病気の場合は、かかりつけ医の先生が教えてくれますから、そうでない限りは誰にも治すことができないのだ、という覚悟も必要です。

ポイント3 つらくなることもある

いくら大切な家族でも、終末期を支えている間にはいろんな感情を持って当然です。特に、これまでと生活が変わったり、介護に対するストレスを感じている場合、つらくなることもあります。

「大切な家族に対して、つらいなんて思ってはいけない」と、自分を責める人もいますが、それは当然のことです。つらい時には、他の家族に協力を得たり、医療や介護のプロに相談しましょう。

ポイント4 いずれ食事が食べられなくなる

最期には、だんだんと食事が食べられなくなる人が多いです。十分に食事が食べられないことに対して、可哀想だと感じる家族が多いです。ただ、これはよくあることで、看取るその日までしっかり食事を食べられる人の方が少ないと思っていた方がいいでしょう。

もし、だんだんと食事の量が減ってきた時には、かかりつけ医や訪問看護師に相談してみてはいかがでしょうか。本人に無理のないやりかたで、栄養を補給できる方法をサポートしてくれるかもしれませんよ。

さいごに

いかがでしたか?

今回は、家族を自宅で看取る際のメリットや、家族が覚悟しておきたいことを中心にご紹介しました。人によって、状態はさまざまですので、今回の内容が必ずしも当てはまるとは言えませんが、一般的な内容として知っておいた方がよいことをまとめています。

今回お伝えしたかったのは、看取りに対して覚悟をしなさい、というわけでありません。こういったことを知っておけば、その都度慌てたり悩んだりする必要が少なくなるということです。

病院や介護施設から、最期を自宅で過ごすために家に戻る人もいます。決して、できないことではありませんし、医療や介護の面ではサポートする体制が整ってきています。これを機に、いちど家族で自分の最期をどうすごしたいか、考えてみませんか?

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